介護 穏やかな生活

　介護　穏やかな生活

　神奈川県南足柄市　原　澄江（主婦　68歳）

　貧しい中、8人の子どもを育ててくれた母は、父亡き後、
川崎市に住む姉に連れられ、鹿児島県の徳之島を離れることに。

その後、わが家で8年間一緒に暮らしました。
夫の協力には、心から感謝しています。

　近所の先輩方から介護の体験を聞いていたので、母が粗相を
したり、何回も同じ事を言ったりしても、初めて聞いたように、
おおらかな気持ちで接することができました。

母が少しでも穏やかな生活を送れるように努力してきましたが、
気づけば、母と一緒に生活することで、私自身の心がほぐれていた
ように思います。

　たまに温泉旅行に行くと、母は「長生きするもんだね」と
言って、喜んでくれました。

　デイサービスやショートステイも利用。
きょうだいからの金銭面の支援を受け、最後の2年半は
施設に入所しました。

施設の職員の方から、「大きな声でよく笑う、お母さんの
笑顔に元気をもらい、癒やされています」と言われ、
安心しました。母のように生きられたらいいなとも
言ってくれました。

　施設の方々に手厚い介護をしていただき、病気を
することもなく、老衰で１０１歳の天寿を全う。
昨年10月19日、旅立ちました。

　私たち兄弟姉妹の偉大なお母さん、１０１歳まで
生きてくれて、ありがとう。

　絆　読者の体験談　聖教新聞、2022年1月19日（水）転載

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